HEAVEN ROAD
「カナ、お待たせ」



すっかりと日が落ちて、辺りが暗闇に包まれてから一時間近くたった頃、宗と千があたし達を迎えに来た。



「お疲れ」



あたしは宗に近づき、笑顔を見せる。



「帰ろうか」



あたしの前に差し出された宗の手。



あたしはこの手を離したくない。



「千、萌、お先にぃ~」



宗の言葉に手をあげる千と「ばいばい」と手を振る萌。



あたし達は二人に見送られ学校を出た。



「俺んチでいい?」



「いいよ。話って?」



「家に帰ってからゆっくり話すよ」



あたしは宗の話が気になって、宗の家までの道のりがいつもより遠く感じてしまう。



きっと、今日の朝のこと。



あたしは宗のこの手を離さない為に何を言えばいい?



そんなことばかりを考えていた。

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