HEAVEN ROAD
すると宗の手があたしの体を包み込み、フワッと抱きかかえられた。
「えっ?宗?!重いよ」
「カナくらい平気だよ。軽いし」
これが俗に言う“お姫様抱っこ”っていう奴。
あたしの体はそのままベッドへと降ろされた。
そして、宗の唇が再び重なる。
宗はこういうこと誰かとしたことあるのかな?
前の彼女の話とかは聞いたことないけど……
長いキスが終わると宗の唇があたしの首元にあたった。
「……っふ」
変な声を出してしまった。
あたしは咄嗟に口を両手で襲う。
「声、我慢しないで」
「でも、変な声……」
「変じゃないよ。カナのその声聞きたい」
そう言ってあたしを見下ろす宗はいつもの宗じゃない。
ニコニコと笑顔で優しい宗ではなく、乱れた呼吸に少しドキッとしてしまうあたしがいた。
初めて宗を男だと意識した。