HEAVEN ROAD
でも、宗のことは大切だったよ。



側にいて欲しかった。



だから、言葉遣いだって直す努力をした。



乱暴な行動も取らないように……



宗のために努力したあたしを宗は見ていてくれた?



すべてが終わると何も言わずに部屋を出て行ってしまった宗。



あたしは散らばった制服を一つ一つ拾い上げ、帰る支度をする。




制服を身にまとい終えたとき、部屋のドアが開いた。



その音にあたしの体はビクつく。



「帰るのか?」



「うん」



あたしは宗の顔を見れないまま部屋を出た。



少し前まではどんなに疲れていても送ってくれたのに、今は「気をつけろよ」の一言もない。



痛みが引かないお腹を摩りながら、あたしは家までの道をトボトボと歩く。



あたしが悪いってわかってる。



でも、もうこのままなのかな?



あの頃の宗にはもう会えないのかな?



暗闇の中、冷たい風に吹き付けられていると涙がジワリジワリと沸きあがってくる。



あの頃にもう一度戻りたいな。



宗。



ごめんね。


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