HEAVEN ROAD
クリスマスも過ぎ、あと少しで今年も終わる。
12月29日。
あたしは宗と遊ぶ約束をしていたが、前日に殴られた傷が痛み、家の中で横になっていた。
体中の至る所にできている痣は中々消えてくれない。
消えかけたと思ったら、新しい傷ができる。
その繰り返し。
顔に痣ができた時は宗の家に泊まるようにしていた。
祐樹にゴチャゴチャと追及されるのが嫌で……
「転んだ」とか「ぶつけた」って言い張っているけど、さすがにもうそんなんじゃ通用しない。
今日も顔に大きな痣がある。
左目が腫れあがり目が開かない。
祐樹にこの顔を見せるわけにはいかないから、あたしはトイレにも行かず、布団の中に潜っていた。
コンコン
「カナ?いるんだろ?電話」
祐樹のその言葉に体が震える。
きっと宗からだ。
「男の声だったぞ。名前聞いても名乗らないけど」
「体調悪くて寝てるって言って」
「わかった」
祐樹の足音が遠のいていくのを聞いて、震えが収まっていく。
コンコン
再びノックされるドア。
「急用だって。萌ちゃんが大変ですぐに来て欲しいってよ」
「えっ?萌が?」