HEAVEN ROAD
「好きなのか?」



「えっ……と、大切だった」



「今は?」



「わからない」



ズルイあたしは曖昧に返事をする。



豊。



あんまり優しいそぶりを見せないで。



あたしの心臓が五月蝿くなる。



「祐樹さんは知ってるのか?」



「知らない」



「なら、暫くここにいろ」



「でも」



傷の手当が終わったのか、豊は片づけをしながら眉間にシワを寄せている。



「でも、でも、うるせぇよ!!言いたいことがあるならハッキリ言え」



「そうだよね」



豊がイライラし始めた。



きっとそれは昔のあたしと違うから……



思うことは何でも口にし、ハッキリとしていたあたしとは違うから。



言葉遣いや行動を変えたのはもちろん。



それ以外にも宗が暴力を振るうようになってから、あたしは宗の顔色ばかりを伺っていた。



いつ怒り出すか、いつ殴られるか、宗の顔を見ながらいつもビクビクしてた。



その癖が抜けなくて、人と話すときもなかなか言葉が出てこない。

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