HEAVEN ROAD

何が安全なんだか、あたしにはわからない。



宗のことなのか、チームが揉め事を抱えているのか……



でも、聞きたいと思わない。



別に安全じゃなかったとしても、それは自業自得だから。



そんなあたしの手を引き、車に乗せてくれる豊。



あたしが乗り込むと振り向いた大輔さんが一瞬驚いた顔をしたけど、すぐにいつもの優しい表情に戻り「おはようございます」と笑いかけてくれる。



「おはようございます」



「コイツんチ寄って」



「ま、待って。祐樹に……」



この姿は見られたくない。



「でも、お前制服着てないだろ」



そうだった。



寝るときに着てるジャージ姿のまま、あたしは家を飛び出したんだった。

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