HEAVEN ROAD
「あたしはあんたのものじゃない。悪いとは思うけど……自分勝手だけど……もう言いなりは嫌なの!!」



宗に負けずにあたしも叫んだ。



豊が扉の向こうにいてくれると信じて。



その瞬間、あたしは思い切り後ろへ押された。



その勢いに耐えられなくて、尻餅をついてしまう。



「どんなことしてでも渡さない」



宗はあたしを見下ろして、あたしのお腹を踏みつける。



「別れを撤回しろ!!ごめんなさいって言え!!」



何度も何度も踏みつけられるうちに、痛くて謝ってしまいそうになる。



でも、その時豊の言葉を思い出した。



“待ってる”って言葉。



「さっさと謝れよ!!」



「……ゴホッ。うっ、あたしは……別れたい。ゲホッ……っその気持ちは変わんねぇよ」



お腹を抱えながら、力を振り絞って宗を睨みつける。



「なんだよ!!その言葉遣い!!なおせっていっただろーーー!!」



振り上げられた宗の拳にあたしはギュっと目を閉じた。



奥歯を食いしばり、手にできる限りの力を入れる。



宗がスッと拳を振り下ろした音は聞こえたのに、あたしの体には何の衝撃もない。


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