HEAVEN ROAD

その日はそのまま屋上で翔と話をし帰宅した。



帰宅したと言っても豊の家に……



校門を出ると大輔さんが立っていて、豊からの伝言を伝えてくれた。



「傷が治るまで自宅には帰らないほうがいいとのことです」という大輔さんの言葉を聞いて、あたしは内心ホッとした。



靴を履き替えながら、家に帰るのは不味いと頭の中はそればかりだったから。



いつから待っていたんだろうと、申し訳ない気持ちでいっぱいになりながらもあたしは大輔さんと豊に甘えっぱなし。



「それじゃあ行きましょう」



言われるがままに車に乗り込み、豊の家へと向かう。



豊は先に帰っているのだろうか?



意味不明な発言を残し立ち去ってから、学校へは戻ってきていない。



あたしは大輔さんに手渡された鍵で扉を開ける。



「ただいま」



一応言ってみたものの返事は返ってこない。



出かけてるのか。
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