HEAVEN ROAD
「年末って面白い番組入ってないんだよな。あぁ~暇だ」



あたしはソファーの上に寝転がる。



見たい番組がなくても、テレビは付けたまま。


きっとシーンと静まり返った空間にいると、可笑しなことばかり考えてしまうから。



あたしがここに帰って来た日、祐樹は何も聞かなかった。



ただ一言「お帰り」と言っただけ。



腫れ上がった顔を見たはずなのに、何も見なかったように接してくる。



あたしはそんな祐樹をみてホッとした。



ずっと1人きりで豊の家で生活していた分、たわいもないことを話したり出来るってことが、すごく嬉しかったな。



でも、最近はまたお節介野郎に戻ってきてる。


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