HEAVEN ROAD
別に宗を喜ばせるために考えてるわけじゃないけどさ……



「あー何1人で会話してんだよ」



あたしは頭を掻きながら、足をバタバタさせた。



「頭おかしくなったか?」



その時、あたしの頭上から声がした。



「えっ?」



なんでいんの?



夢か?



「気持ち悪い顔してんな」



固まったあたしの姿になんとも憎たらしい言葉を……



「どこから入った?」



あたしは体を起こして、憎たらしい男、豊の方を見上げた。



「玄関」



「鍵は?」



あたしの目の前にチャリーンと音を鳴らしながら、突き出された我が家の鍵。



「なんで?」


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