HEAVEN ROAD

なんで豊があたしんチの鍵を持っているのか?



頭をフル回転させたけど、まったくもってわからない。



「いい加減、そのアホ面やめろ。祐樹さんが置いてった」



「あー祐樹ね。なんだ。そーいうことか……じゃねーよ!!」



豊はあたしの前に腰をおろし、あたしと同じ目線になった。



「お前、1人で暇しすぎて可笑しいぞ」



「余計なお世話だ」



股を開いてしゃがみ込む豊をジーっと見つめる。



これが噂のヤンキー座りね。



あたしの視線に気付いた豊は突然立ち上がった。



「行くぞ」と言いながら。



「はっ?」



「さっさと用意しろ」



なんであたしは豊に命令されなきゃなんねぇんだ?



久しぶりに聞く、偉そうな態度に腹が立ってきた。

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