HEAVEN ROAD

前来た時に出入りしていた、玄関へと続く入り口を通り越して塀に沿うように車は走っていく。



一志さんの家は何をやってる家なんだろう？って思うくらい本当に大きな家。



入り口の辺りを通過してから、走ること３分くらい。



車は停車した。



「行くぞ」



いつものように何の説明もないまま、あたしはただただ豊の後を着いて行く。



塀の切れ目？入り口？から中へと入ると日本庭園見たいなものが……



家の敷地内に池があるし。



鯉とかいたりするのかな？なんて池の近くに歩こうとすると「そっちじゃない」と豊の声が。



豊は背中に目がついてるのかよ？



絶対、後ろは振り返っていないのに……



あたしは気になって仕方ない、池を諦めて豊の進むほうへと足を進めた。



すると本宅と呼ばれている一志さんの家とは別の家が現れた。



これが離れ？



“離れ”と呼ばれる家とは思えないくらいこっちの家もでかい。



この家は一体どうなってんだよ。



何人の人が住んでんだ？



あたしの見てきた世界では想像もできないような光景を目の当たりにして、頭の中がパニックを起こしそうだった。