HEAVEN ROAD
玄関のすぐ横にある階段を上がると、豊は襖を勢いよく開く。



開かれた襖の向こうの光景を見て、開いた口がふさがらない。



なんだ……



これ?



本家と呼ばれる場所は外観は和風と言った感じだったけど、置いてある家具やインテリアはどちらかというと洋風的なものばかりだった。



でも、こちらの離れはおもっいっきり和風な造り。



もう和風なんて言葉では収まりきらないくらいとんでもないことになっている。



襖を開いた先には、畳の部屋がいくつも連なって奥へと続いている。



肉眼ではその終わりが確認できないほどに長い。



そして、その部屋に溢れかえる人。



お膳のようなものが無数に置かれ、着物を着た女の人たちが空になったお膳を新しいものへと取り替えている。



お酒、料理、次から次へと運ばれてくる。



そんな異様な光景に慣れているのか、ここにいる人達はそんなことは気にも留めずに盛り上がる。

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