HEAVEN ROAD
あたしは有田の側に座り、沢山言いたかった言葉を整理する。



「カナ、居場所は見つかったか?」



そんなあたしに有田は静かに話しかける。



「どうだろう?居場所をくれる人はいたけど、全部自分のせいで手放した」



あたしは有田の前では素直な気持ちを話すことができる。



あたしと有田が話し出すと、自然と集まっていた人たちは離れて行き、豊までが別のところへと移動していった。



「そうか。でも、後悔してるんだろ?」



「してる」



「じゃあ、大丈夫だ」



有田はあたしのほうをゆっくりと見る。



「何が大丈夫なんだよ?」



こういう質問には有田はいつも答えてくれないんだよな。



だから、あたしは結局有田が何を言っているのかわからないんだ。

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