HEAVEN ROAD
「そうだな。ここにいる奴等みんな俺の家族だ。でも、こいつ等は大切なことは何かって事を知ってる。そして、それぞれが居場所を見つけようともがいている。だから、大丈夫だ。俺なんかいなくてもお前達は大丈夫だ」



「そんなことない……」



あたしはそんなことない。



自分の居場所を自分で手放してしまうんだから。



こんな風に話が出来るのは有田だけなんだから。



「俺もまだまだ生きるつもりだ。生きていれば会えるだろ?」



そうだけど……



でも、あたしは……



「カナ。お前が失くした居場所は自分の手で元に戻せ。後悔したことがあるなら、逃げずにぶつかって行け。そうすれば大丈夫だから。俺はいつだってここにいる」



有田。


あんたの言ってることは、あたしにはやっぱり難しすぎる。



でも、いつかこの言葉の意味をわかる日が来るといいな。



次にあんたに会うときはそんな女になっていたい。


そう思って有田の横顔を眺めていた。

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