HEAVEN ROAD
「雪の上をバイクで走ったら事故るだろうが」



「あーー」



「だから、雪解けまでは走らねぇ」



「へぇ~そうなんだ」



豊の話によると……



初雪が振った日に“走り収め”をしたヘブンは雪解けまで走ることは禁止。



この地での暴走族はみんなそうらしい。



中には徒歩でやるチームもあるらしいけど、ヘブンは奇声を上げたりすることが目的じゃないからやらないんだって。



じゃあ何が目的でやってるんだよ?って聞きたかったけど、そんなこと聞いたらここにいる奴等全員を敵に回すような気がしてやめておいた。



「明日の朝は早いからな」



「はっ?」



やっぱり今日の豊は変だ。



意味不明な発言ばかりだけど、元々だったっけ?



「9時までに実家に行く」



「そう」



「お前もだ」



「なんで?」



なんであたしが彼女でもないに、豊の実家に行かなきゃ行けないんだ?



「お前を呼んで来いって」



「お母さん?」



「あぁ。最近来ないってうるせぇんだ」



「でも、あたしが……」



「お前に選ぶ権利はねぇよ。もう行くって返事したから」



あんたにいくら嫌だって言ったって無理やり連れて行くんだろうね。



豊の性格くらいもうわかってるよ。



あたしはこれでも学習くらい出来る子なんだ。


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