HEAVEN ROAD
お父さんは言っていたようにパジャマ姿でソファーに座っていた。



「お邪魔します」とあたしが挨拶すると、笑顔で頭を下げてくれた。



「さぁさぁご飯にしましょう」



お母さんの掛け声であたし達は食卓に座った。



テーブルの上にはお雑煮とおせち料理が……



「すごい……」



「カナさんはいつも嬉しい事を言ってくれるわね」



「あたし、こういうの初めてで……本当にすごいです」



「口に合うかはわからないけど、食べてみて」



「はい!!」



お重箱の中には色とりどりのおかずが詰められていて、それを家族で囲むなんてテレビの中の出来事みたいだ。



「いただきます」と言うお父さんの掛け声でみんながお重箱に手を付け始めた。



あたしはどれから食べて言いのかわからずに、お椀に入っている雑煮から手をつけた。

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