HEAVEN ROAD
「普通の家ってなんだよ?」



止まらない2人の言い合いに豊が割って入った。



その瞬間、静まり返る家の中。



あたしはこの場にいていいのだろうか?



「お前には関係のないことだ」



お父さんは冷たく豊をあしらう。



「関係ないなら俺の前で言い合いするな。飯が不味くなる」



「じゃあ、お前にも本当の気持ちを話そう。私はあんな家の子供と佐枝子が付き合うのも、お前が仲良くするのも反対だ。もっと普通の子にしろ」



お母さんに話していた口調とは違って、お父さんは豊に言い聞かせるように話をする。



「だから、普通ってなんだよ!!」



それなのに、豊は怒鳴り声を上げる。



「それは言わなくてもわかるだろ」



「あぁ。わかるよ。ヤクザが普通じゃないって言ってんだろ?じゃあ、あんたは普通なのかよ?金のためにペコペコ頭下げて、それで胸張って自分の仕事してるって言えんのかよ?一志さんの親父さんは自分の仕事を正しいとも普通とも言わねぇよ!!」



あたしの左側に座っている豊は怒鳴っているけど、声が泣いているみたいだ。


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