HEAVEN ROAD
「はい。あたしは豊を含め、豊の周りにいる人たちに助けられました。色んな事を教わりました。それって大事なことだと思うんです」



旨く伝えられない。



あたしが感じた事をもっとわかりやすく話したいのに……



「寂しかった気持ちが埋められるんです。一人じゃないって思わせてくれるんです。人と人の繋がりは大事なんだって教えてくれるんです。そして、それはすべて外見だけじゃ何もわからないってことを教わりました」



「カナさん」



あたしは挫けてしまわないように喋り続ける。



「大人から見れば理解できないかもしれません。でも、あたし達は真剣なんです。必死なんです。いつも何かが足りないんです。寂しいんです。ただそれだけなんです」



思わず涙を零してしまった。



まだ足りない。


こんなんじゃお父さんにはわかってもらえない。



でも、溢れ出す涙が止まらない。
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