HEAVEN ROAD
「誕生日暴走の日、ふみは再び俺の前に現われた。俺はふみに構ってる余裕なんてなかったから、無視したまま走りに出た」



あの女は一緒に祝ったわけではなかったんだ……



「すべてが無事に終わり、翔達とアパートへ戻るとふみがいた。俺はそれでもふみの話を聞くつもりも、ふみとやり直す気もなかったから」



そうなの?



あたしはてっきり。



「それなのに、チータが可哀想だからってプレゼントだけ受け取ってきたんだよ」



そういうことか。



チータなら確かにやりそうだ。



「俺は……意地を張ってた」



「意地?」



それまであたしの目を見て話していた豊の視線が下へと逸らされる。



「誕生日の日、お前は来てくれると信じてた。俺の誕生日を祝いに来てくれるって……」



「ごめん。忘れてた」



あたしの言葉に「そうか」と肩の力を抜く豊。

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