HEAVEN ROAD
「それでも俺はもう手放したくねぇんだ。2人で償っていけばいい。俺たちが傷つけた奴等の傷を忘れないで2人で背負っていけばいい」



「でも……」



あたしは宗の顔が頭に浮んで豊の言葉にうんとは言えない。



豊は体を離し、あたしの顎を掴んだ。



「こんなこと言ってるけど、俺はただお前といたいんだ。誰に恨まれても、誰に何と言われても、もう離す気はない。カナ……好きだ」



あたしの心を鷲掴みにするような台詞とともにあたしの唇に豊の唇が重なる。



触れ合った場所から豊の体温が伝わってくる。



あたしも好きだ。



豊じゃなきゃダメなんだ。



長い間封印していた、素直な気持ちが涙と一緒に溢れ出てくる。



「豊、あたしも豊が好きだ。誰を傷つけても豊を……」



離された唇は再び豊の唇にに塞がれる。

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