HEAVEN ROAD
「玄関に貼られてる」



歩きながら豊がまた突然喋り出す。



「何が?」



「クラス」



「そう」



あたしは豊を追い越して、玄関の前の人ごみの中へと入った。



あたしの名前は……



うぅ~人がいすぎて見えない。



「こっちだ。よけろ」



人ごみに半分埋まっていたあたしの腕を豊が思い切り引き寄せた。



そして、目の前にいる人達を避けさせる。



「あれだろ?」



「ホントだ」



2年3組の欄にあたしの名前が書かれている。



その欄には萌の名前も千の名前もない。



ついでに明美も……



ほっと肩を撫で下ろすと、「友達作れよ」と豊があたしを見下ろしていた。



「もともといないし」



「欲しいのか?」



「別に」



「そうか。行くぞ」



あたしは教室に行こうと思っていたのに、豊によって強制的に屋上へと連れて行かれる。

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