HEAVEN ROAD

確かにバイクの後ろは寒かったけど……



それが原因かどうかなんてわからないし。



「うぅ~」とうめき声をあげる翔をみていると、なんだか申し訳ない気持ちになってくる。



「原因なんてわかんねぇし……腹だして寝てたかも?」



「ホント?」



パッと顔を上げた翔の表情はさっきとはまるで別人。



「たぶんな」



「そっか、そっか。ならいいんだ」



安心したのか、なんなのか、翔は鼻歌を歌いながら体温計を片付けていた。



陽気な翔を見ながら、やっぱり落ち込んでた時の方が静かで良かったかもなと思っていると、突然、勢い良く扉が開く。

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