HEAVEN ROAD
隣で煙草を吸う豊。



「カナ」



「あっ?」



あたしは火照った体を冷やすように、裸のままうつ伏せになり豊の隣に寝転んでいた。



「お前がいてよかった」



「どういう意味だよ?」



「そのままだ」



「意味がわかんないけど」



あたしが聞いているのに豊は何も答えない。



「なんだよ?」


体を起こして、豊を見下ろすと「もう一度やるぞ」とニタつく豊。



それは勘弁だ。



あたしは諦めてもう一度布団に蹲る。



そんなあたしの背中を豊はゆっくりと撫でてくれる。



懐かしいようなその感覚はとても気持ちが良くて、あたしの瞼はみるみるうちに閉じていった。

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