HEAVEN ROAD

豊達が外食するっていったら、ここしかないのかな?



あたしは別の店に行きたかったけど……



ガラガラと店のドアを開けると「いらっしゃい!!」と博巳さんの元気な声が聞こえてくる。



「おっ!!豊、珍しいな」



「ご無沙汰してます」



豊が頭を下げたから、あたしも「こんばんは」と言いながら頭を下げた。



「カナちゃんも一緒か!!じゃあサービスしなきゃな」



博巳さんの笑顔は見ているだけでこっちが元気になりそうだ。



「カウンターいいっすか?」



「いいけど、奥にあいつ等来てるぞ?」



博巳さんのその言葉にあたしは嫌な予感がする。



椅子に手をかけようとした豊の動きが止まったってことは、豊も同じ事を考えてるんだろう。



「今日はここで……」



豊が何かを言おうとしたその時「生3つ追加!!」と大声を出しながら、佐枝子さんが顔を出した。



咄嗟に顔を背けたけれど……



「あっ!!豊?カナ?」



バレるよな。

< 686 / 877 >

この作品をシェア

pagetop