HEAVEN ROAD
豊達が外食するっていったら、ここしかないのかな?
あたしは別の店に行きたかったけど……
ガラガラと店のドアを開けると「いらっしゃい!!」と博巳さんの元気な声が聞こえてくる。
「おっ!!豊、珍しいな」
「ご無沙汰してます」
豊が頭を下げたから、あたしも「こんばんは」と言いながら頭を下げた。
「カナちゃんも一緒か!!じゃあサービスしなきゃな」
博巳さんの笑顔は見ているだけでこっちが元気になりそうだ。
「カウンターいいっすか?」
「いいけど、奥にあいつ等来てるぞ?」
博巳さんのその言葉にあたしは嫌な予感がする。
椅子に手をかけようとした豊の動きが止まったってことは、豊も同じ事を考えてるんだろう。
「今日はここで……」
豊が何かを言おうとしたその時「生3つ追加!!」と大声を出しながら、佐枝子さんが顔を出した。
咄嗟に顔を背けたけれど……
「あっ!!豊?カナ?」
バレるよな。