HEAVEN ROAD
明美の背中を見つめながら、足の震えは酷くなる一方。



あの日が蘇る。



今、あの日にタイムスリップしてしまったかのように……



震えは収まらないけど、あたしは明美の教室へと向かった。



フラフラと廊下を歩くとあたしのために生徒たちが避けていく。



あたしは豊の彼女ってだけで、こんな待遇なんだ。



みんな腫れ物に触るようにあたしに接する。



「明美……」



やっとの思いで教室へと辿り着くと、明美はさっきとは違う連中に髪の毛を掴まれていた。



「さっさと帰れよ。二度と学校に来るな!!」



罵声を浴びせる女にあたしは近づき腕を掴んだ。



「何してんだよ」



「てめぇもやられたいのか?」



振り返った女があたしに向かって怒鳴り声を上げる。



その瞬間、あたしの記憶はぷっつりと途絶えてしまった。



真っ暗な中、あの日の言葉だけが聞こえてくる。



あたしはまた同じ目に合うのだろうか?



明美を助けるためには仕方のない事なのだろうか?
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