HEAVEN ROAD

温かい感触が頬に触れ、あたしの涙を拭ってくれる。



助けたら貴方もやられてしまうよ。



この手を離して。



その方がいい。



「カナ」



優しく、掠れた声で名前を呼ぶのは……



豊……



ゆっくりと目を開けると、そこには豊の姿があった。



「豊?」



「大丈夫か?」



あたしはどうしたんだっけ?



辺りを見回すと……



あたしは屋上にいる。



なんで?




「倒れたんだよ」



あたしの疑問は口に出さなくても豊が答えてくれる。

< 697 / 877 >

この作品をシェア

pagetop