HEAVEN ROAD
温かい感触が頬に触れ、あたしの涙を拭ってくれる。
助けたら貴方もやられてしまうよ。
この手を離して。
その方がいい。
「カナ」
優しく、掠れた声で名前を呼ぶのは……
豊……
ゆっくりと目を開けると、そこには豊の姿があった。
「豊?」
「大丈夫か?」
あたしはどうしたんだっけ?
辺りを見回すと……
あたしは屋上にいる。
なんで?
「倒れたんだよ」
あたしの疑問は口に出さなくても豊が答えてくれる。