HEAVEN ROAD
豊はどこからかわからないけど、女物のジャージを持ってきた。



その頃には明美の手当ては終わっていて、秀はあたしに「明美を頼む」と頭を下げて保健室を出て行った。



「カナさん着替えさせてあげて」



「はい」



あたしは豊から受け取った、ジャージを抱きかかえ、カーテンを閉めた。



「明美。着替えさすからね」



体を起こすと「……っ」と顔を歪める明美。



あたしはなるべく傷口に触れないように明美の制服を脱がしジャージを着せた。



「終わった」



「なら帰るぞ」



カーテンを開けるとそこに大輔さんの姿はない。



「明美は?」



このままここに明美を置いていけば、またやられるかもしれないのに……



「大輔がチータに連絡した。今日は遅いし、もう学校には誰もいないだろう。大丈夫だ」



「チータが迎えに来るの?」



「あぁ」



あたしはそれでも明美一人でここにおいて行くことが出来なくて、俯いていると「行くぞ」と豊に腕を引かれた。



「待てよ。もう少しだけ……」



「大丈夫だから来い」



引きずられるように保健室から出ると、ドアの前には男が二人立っていた。

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