HEAVEN ROAD
大輔さんの車でアパートに着くとあたしは放り込まれるように部屋の中へと入れられる。



「なんなんだよ」



「話せ」



「何を?」



乱暴で強引な豊にいい加減キレそうだ。



あたしはソファーへと座り、立ったままの豊を見上げる形で睨み付けた。



「何で明美がトイレにいるってわかった?何であんなに震えてた?」



「それは……」



あたしは唾を飲み込み、視線を自分の膝へと移した。



「そろそろいいだろ?教えてくれ」



あたしの隣にドスッと腰をおろした豊は情けない声を出す。



「俺が全部受け止めてやるから」



肩を抱きしめられると胸がキューっと締め付けられる。



嬉しいよ。



豊の言葉、凄く嬉しい。



でも、あたしは……



「怖いんだ」



「何が?」



「豊が離れていかないかどうか」

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