HEAVEN ROAD
「あと……金髪にしてたのもそこから来た理由」
あたしはこの際すべてを話してしまいたくて、思いついた事を口にした。
「それはなんとなくわかる。それより何で転校してきたんだ?」
なんで?
それはあたしにもよくわからないんだよな……
「ママがあたしと暮らす事を放棄して、あたしは一人暮らしをして働こうと思っていた。でも、一人暮らしするはずだった家には祐樹がいて高校も決まっていた」
あの日の事だけは忘れもしない。
祐樹が突然現れ、ここは俺のウチだとあたしを睨み付けた。
そして、俺が保護者になったから俺の言う事を聞けと……
あの時はあたしへの復讐なんだと思っていた。
きっとどこへ行ってもあたしは逃げられない。
ママにさえも恨まれたあたしはどこへいっても人の恨みを買い、その罰を受け続けながら生きなければいけないと覚悟したんだ。
「少しでもなめられないようにしたくて髪を染めた。もう一度戦うための勇気がほしくて髪を染めたんだ」
「そうか」
豊はそう口にしたまま黙り込む。
あたしも話すことがなくなってしまい、口を閉ざした。
不気味なほどの沈黙がこの部屋を包み込んでいた。
でも、思っていたほど怖さはなくて……
寧ろ話し終えてスッキリとしていた。
今まで心の奥にしまっていた感情を出した事によって、何かが晴れたみたいに……