HEAVEN ROAD

豊達は一時間近く話し込んで突然地図を閉じた。



「じゃあ気をつけろよ」



「あぁ」



「カナちんまたね」



「へっ?」



ソファーに寝転んでいたあたしに手を振って出て行った翔に真剣な顔付きでその後を追う秀。



2人が外へ出て行っても豊は動こうとしない。



「行かないのかよ?2人は明美を探しにいったんだろ?」



「あぁ。ここにいる」



あたしはソファーから起き上がり豊の前へ立った。



「何で行かねぇんだよ?」



「ここで待機する役目になったからだ」



「なんだよそれ?あたしは行くからな。豊は一人で待機でも何でもしてろよ」



連れて行ってくれるって言ったのに結局何もさせてもらえないのかと腹が立った。



翔にでも連れて行ってもらうか。



「座れ」



「嫌だ。あたしは行くんだ」



「いいから座れ」



「嫌だ」



「来いって言ってんだろ!!」



いつものように豊に腕を引かれ、あたしは豊の腕の中に納まってしまう。
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