HEAVEN ROAD
カチッカチッという規則的な音が耳について、あたしは目を開けた。
灰色の天井がすぐに視界に入るけど、ここはどこ?
ゆっくりと体を起こすと、あたしはどこかの廊下のソファーに寝かされていた。
「起きたか?」
まだ、ぼんやりとする視界の中で豊があたしの手を握った。
「ここは?」
「病院だ」
病院か……
そう思った瞬間、パチンと目の前の映像が切り替わった。
屋上にある秀のソファーに横たわる人影。
少しずつ近づいていくとその人影は明美だった。
ボロボロの洋服に血まみれの体……
呼吸をしているのかさえわからない。
「明美!!」
「おいっ。落ち着け」
「ハァハァハァ」
きつく抱きしめてくれる豊のお陰で、屋上の映像は消えてくれた。