HEAVEN ROAD
30分も立たないうちに秀はあたし達の元へと帰ってきた。



「今日は帰ろう」



「はっ?何でだよ?明美は?」



「今日は目を覚まさない。だから、明日の朝一でまた来よう」



「わかった。俺大輔さん呼んでくる」



ずっと何も言わずに俯いていた翔が立ち上がり病院を出て行った。



「目を覚まさなくてもいいよ。あたしは一目無事だってとこを見たい



「明美と会う前に話したいことがある。カナ。今日は勘弁してくれ」



顔をクシャクシャに歪め、そんな情けない瞳で見つめられたら、何も言えねぇじゃねーか。



「ごちゃごちゃ言ってないで行くぞ」



あたしは豊に腕を捕まれ、大輔さんの車まで連行された。



秀の様子を見て、抵抗する気なんてとっくに失せていたのに、豊はあたしの手を離そうとはしない。

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