HEAVEN ROAD
「豊」



「あぁ」



ん?



「お前はどうする?」



「何が?」



それだけで何を言ってるかなんてわかるわけねぇだろうが。



「俺等は帰るけど、お前はどうする?」



「あたしはここにいる」



「じゃあ。迎えに来るまでここにいろ」



「わかった」



あたしは豊の背中を見送りながら、考えていた。



もし、あたしが捕まっていたら……



あたしはチームや豊を守れるだろうか?



明美のように体を張ってみんなを守る事なんてできるのかよ?



あたしにはできないような気がする。



「カナ?」



「ん?」



あたしはベットに横たわる明美のほうへと振り返った。



「心配かけてごめん」



「ホントだよ。しかも、あたしにあんな態度取りやがって」



「ごめん。カナを巻き込みたくなかった」



明美は顔の前で両手を合わせる。



「逆の立場だったらどうなんだよ?明美はあたしの事ほっとけんのか?」



ウウンと首を左右に振る明美。



「もうナシだからな」



「わかった」



明美の笑顔を久しぶりに見た。



もう見れないんじゃないかって思ったこともあった、明美の笑顔。


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