HEAVEN ROAD
ガラガラ



「静香ぁ~来てやったぞ」



「ノックくらいしろっていつも言ってるだろ」



えっ?



中に入るとあたしは声が出なくなってしまう。



だって……



静香の体があまりにも痩せてしまって。



静香だってわからないほどだったから。



「ボーっと突っ立ってどうしたんだよ?」



「……っいや。痩せたなって思って」



「あぁ。薬のせいらしい」



「そっか」



静香の言葉に少し安心する。



病気が悪化して痩せ細ったように見えたから……



顔色もよくない。



でも、薬のせいなら大丈夫だな。



「久しぶりだな?」



「悪い。色々とあって」



「知ってる。秀の女が入院してるんだろ?」



「知ってたんだ」



話しながら、あたしは慣れた手つきでパイプ椅子を引っ張り腰掛けた。



「翔の奴が毎日来るからな。忙しいなら来なくてもいいって言ってんのに」



「のろけかよ」



あたしの言葉に恥ずかしそうな顔をする静香は「違げーよ」とそっぽを向いてしまう。

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