HEAVEN ROAD
あたし達は水着フェアっていうのをやっている、デパートの催事場に来ていた。



水着がありすぎて目がチカチカしてくる。



それに選ぶ気も失せるような人、人、人……



「カナ~~コレどう思う?」



両手に水着を抱えた明美が動けずにあたしを大声で呼びつける。



「明美。足怪我してるの忘れるなよ?」



「楽しすぎて忘れそうだし」



あたしはふざけた事を言っている明美の体を支えながら、水着をいくつか取り上げる。



「試着するのはいいけど、全部は無理だからな」



「なんでよ!!着てみないとわからない」



「何時までに帰って来いって言われたか覚えてるか?」



「あっ」っと明美は腕時計に目を向ける。



「無理だろ?」



「残念だけど、無理だね」



わかってくれて良かったよ。



明美は言いだすときかない奴だから、危うくあたしまで怒られるところだ。

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