HEAVEN ROAD
「さっさと用意しろよ!!」



「もう用意は出来てるって」



お決まりのことながら、出発前は豊に怒鳴られる。



コイツは何で朝起きてすぐ出かける準備が出来るのかあたしには理解不能。



しかも、2人分の朝食まで毎朝作ってくれているし……



あたしは起きてから最低30分はボーっとしてなければ、行動できない体なのに……



そんな事はもちろんわかってくれない。



「行くぞ」



「はいはい」



あたしは水着の上にタンクトップとスエットをはいて、バスタオルなどを詰め込んだ大きな鞄を肩からさげた。



明美の願いが通じたのか、外に出ただけで焦げ付いてしまいそうなほどの天気。



こんなに暑い日は年に何回かしかないのに、こんな日に海に行くなんてあたしはついていない様な気がする。



外に出ると大輔さんの車が止まっている。



あれ?



今日は大きな車を一志さんに借りるって言っていた様な気がするんだけどな。

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