HEAVEN ROAD
「カナ……ナってば……」



気持ち良く寝ているんだから、邪魔するな。



あたしは寝呆け眼で誰かに捕まれている腕を思い切り振り払った。



「……いったぁい」



「いい加減にしろ!!」



いい加減にしろだと?



いい加減にして欲しいのはこっちだ。



思い切り叩かれたおでこを押さえながら、あたしは目を開けた。



「うるせぇな!!寝てるだろ」



あたしの怒鳴り声に明美が驚いている。



あれ?



なんで、明美がいる?



あたしは状況を理解するためにゆっくりと辺りを見回した。



すると……



あたしは車の中に乗っていて、車の外にはガラの悪い奴らがこちらを見てる。



「そうだ……海来たんだ」



「やっと起きたか」



豊の呆れ顔があたしのほうへと近づいてくる。



「悪い」



「謝る相手が違う」



そう言って指差した先には膨れっ面の明美がいる。



「あたし、明美に何かしたのか?」



「思い切り突飛ばしてたぞ」



あーなんとなくそんな記憶もあるかもしれない。



「起きたなら、さっさと行くぞ」



「あっ……うん」



車の外にでると、寝起きには眩しすぎる光があたしを包み込む。

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