HEAVEN ROAD
「俺は夜の男だからね。昼間にチャラチャラ騒げないんだ」
胸を張って決めたぜみたいな顔をしている翔。
「はいはい。そうかよ」
あたしの勘違いみたいだったな。
翔はいつもと変わらない。
……というか、いつもよりパワーアップしてやがる。
「もぅ~カナちんはつれないんだから」
あたしはゴチャゴチャ付き纏う翔を無視して、花火を選んだ。
これ……
あたしはこの花火が好きなんだ。
「それは最後だ」
大好きな花火を手に取ったのに、それにさえいちゃもんをつけてくる男がいる。
「どれからやろうと勝手だろ」
「それは最後って決まってるんだ」
「誰が決めたんだよ?」
あたしは豊の前に立ち上がり、手に取った花火をヒラヒラとさせる。