HEAVEN ROAD
話の流れからすると……



あたしは、あの時倒れたらしい。



そして、ここへ運ばれた。



ここは誰かの部屋。



翔と言い合いしている男が怒っているということは、この男の家なのかもしれない。



一通り理解できたあたしは、殴りあいになりそうな勢いの二人の間に体を入れた。



「起きました!!」



鬼のような形相で、こちらを睨む二人。



「カナちゃん、起きたのか」



私の顔を認識できた翔は、すぐに笑顔になったけど……



「えぇ、まぁ」



「体は大丈夫?」



「あたし、倒れたみたいですね」



頭を掻いた左手を降ろすことができない。

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