HEAVEN ROAD
豊。



負けようよ。



チータはきっと引かない。



だからさ……



もうこんなの終わりにしよう。



「目を逸らすな!!」



もう見ていられなくて視線を床に向けた瞬間に豊の怒鳴り声が倉庫に虚しく響き渡る。



あたしは体をビクつかせ、視線を豊に戻したけど、豊はあたしに言ったんじゃないとすぐに気付いた。



豊はチータに怒鳴ったんだ……



「本気だよ」



小さな声でチータが喋り出す。



「俺は本気だ」



「それなら、俺達が手を抜く必要はないって事だよな?」



何を言ってんだ?



豊の言葉はチータに死ねと言っているかのように聞こえる。



「あぁ。本気だ」



「俺等も本気なんだ。わかるよな?チータ」



豊の言葉にナイフが首元へと食い込んでいく。

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