HEAVEN ROAD
「こんなこと失礼かとは思いますけど、どうしても必要で……自分の親にまずは聞くべきなんでしょうけど……前に祐樹さんが話していた事を思い出して……」
豊は珍しく話を濁しながら言葉を続ける。
祐樹は「まずは用件を言え」とそんな豊を急かした。
あたしは祐樹の隣で豊の話を聞いているけど、こんな豊を見たのは初めてだ。
いつだって誰にだって偉そうに自信たっぷりに発言する豊が膝の上に置いた手を少し動かしながら言葉を選んでいる。
「前にカナのために使っていない金が沢山あるって言ってましたよね?」
「金?」
「はい」
そんなことあたしは聞いたことないんだけど……
あたしのために金があるだなんて……
「まだ、祐樹さんの手元にあるんすか?」
「あるけど。金が必要なのか?」
「はい」
「いくらだ?」
豊が金に困っているってこともあたしには初耳だ。
祐樹に話す前にあたしに話してくれればいいのに……
豊はなんだってあたしには話してくれない。
こうやって事後報告なんだ。
豊は珍しく話を濁しながら言葉を続ける。
祐樹は「まずは用件を言え」とそんな豊を急かした。
あたしは祐樹の隣で豊の話を聞いているけど、こんな豊を見たのは初めてだ。
いつだって誰にだって偉そうに自信たっぷりに発言する豊が膝の上に置いた手を少し動かしながら言葉を選んでいる。
「前にカナのために使っていない金が沢山あるって言ってましたよね?」
「金?」
「はい」
そんなことあたしは聞いたことないんだけど……
あたしのために金があるだなんて……
「まだ、祐樹さんの手元にあるんすか?」
「あるけど。金が必要なのか?」
「はい」
「いくらだ?」
豊が金に困っているってこともあたしには初耳だ。
祐樹に話す前にあたしに話してくれればいいのに……
豊はなんだってあたしには話してくれない。
こうやって事後報告なんだ。