HEAVEN ROAD
「朝からどうしたの?」
黒髪の女はこの学校に似合わないくらい真面目そうな子。
綺麗なロングストレートの髪は喋るたびにサラサラと揺れる。
真っ白の肌によく似合う髪の色から目を離せない。
あまりにジーっと見すぎたせいか女があたしの存在に気付いた。
「後ろの子は?」
「あぁ、アイツか。気にするな」
「気にするなとは何だよ」
豊の言葉に頭にきたあたしは2人の間に割って入る。
目をぱちくりさせた女は綺麗な声で「新入生?」と首を傾げる。
「はい。カナです」
最高の笑顔で挨拶したのに、横から「キモい」って声が聞こえた気が……
「私は静香。宜しくね。カナちゃん」