HEAVEN ROAD
「お前が苦しんだことも無駄じゃなかったってことだよ。母親が再婚して離婚して、色々あっただろうけど、チータのためだったって思えば楽じゃないか?どんな事でも意味のあることだって思えるだろ?」



そんなこと言うなよ。



あたしの目には涙が沢山浮んでくる。



豊の言葉が温かくて……



豊の手のひらが温かくて……



涙がとまらねぇよ。



そんなあたしを温めるように抱きしめてくれる豊。



そうだな。



どんな過去も無駄じゃない。



どんな今も無駄じゃない。



そう思える生き方が出来ることが幸せってやつなのかもな。



今にも雪が降りそうな寒さの中、あたし達は身を寄せ合いながら家路を歩いた。



二人の未来もこうして歩いていけたらいいのに。

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