HEAVEN ROAD

「お金は少しずつ、必ず返すから」



「そんなの……」



「それは駄目」



断ろうとしたあたしにチータは真剣な顔付きであたしの手に触れた。



「俺、就職も決まってるんだ。きちんと働いて、少しずつだけど、返していくから」



貸したものはきっと返してもらうべきなんだと思う。



それが仲間同士の助け合い。



そんな風に感じたあたしは「わかった」と返事をする。



「卒業したら頑張って働かなきゃな」と言いながら伸びをしたチータはいい顔をしていた。



何かを吹っ切ったような晴れ晴れとした顔付き。



一人だけ先に大人になるなよなとあたしは少し嫉妬すら感じてしまう。



頑張れ。



頑張れチータ。