HEAVEN ROAD
「宗が昨日私達のところへ来たの……」
「宗が?」
鼻の天辺を真っ赤にさせた萌は前を見つめながら話を始める。
宗が来た……
あれからどこに行ったのかも、何をしてるかもわからなかった宗が生きていてくれたんだ。
「それで、カナちゃんとのこと全部聞いたの。本当の事を聞いたの」
「そっか……」
だから、萌は謝っていたのか。
「酷い事言ってごめんなさい。カナちゃんは何も悪くないのに……ごめんなさい。許してください」
再び萌の瞳には涙が溜まり始める。
「あたしが全部悪いんだ。だから、誰も憎んでないし、萌の事も許すとかってことじゃないよ。あたしが宗を変えてしまったから」
「でも……」
「萌が自分を責めることはない。こうして話しかけてくれただけで嬉しいから」
「カナちゃん……」
あたし達はそれから少しだけお喋りした。
今まで離れていた分の近況報告みたいなもの。