HEAVEN ROAD
今まで一度も立ち上がらなかった豊が立ち上がり、あたしの肩を抱き寄せてくれる。
「一緒に見るか」と言いながら。
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カナへ
カナの言葉が身に染みた。
カナの言葉に救われた。
俺はカナの言うとおり間違っていた。
でも、それを認められずにいたんだ。
カナを取り戻せば、バラバラになった家族も、寂しい俺の心もどうにかなるって思いたかった。
そんな俺のせいで、傷つけてごめん。
謝って許されるとは思ってないけど、ごめん。
いつか昔のように笑える日が来ると信じてやり直す。
幸せになれるように努力する。
ありがとう。
もし、どこかで見かけたら話しかけてくれよな。
その時は笑顔でカナの前に立つから。
宗
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一字一字大切に目で追った。
ポタポタと紙切れの上には水滴が零れるけど、それでも最後の言葉まで見落とさないようにあたしの瞳は宗の文字を追い続ける。