HEAVEN ROAD
「良かったな。お前の気持ちが届いて」



あたしから体を離し、再び地べたに腰を降ろした豊の隣にあたしは腰をおろす。



そして、豊の肩に頭を乗せた。



手紙を握り締めながら、ゴツゴツとした肩の上であたしは豊の鼓動を感じていた。



「おーい。何いちゃついてんだ?」



コンクリートの床はひんやりと冷たいんだけど、豊の体温が心地よいくらいに温かくて、あたしはうとうととし始めていたその時、聞きたくない声が背後から聞こえてくる。



あたしも豊もあえて振り返ることはしない。



振り返らなくてもそこにいるのが誰かわかっているから。



「無視かよ?!おい!!聞こえてんだろ?」



声の主はあたし達のほうへと回りこんで顔を覗く。



目を合わせないようにしていたけど、駄目だ……



「クスッ」



「何?俺の顔が面白い?」



そうだよ。



お前の顔が面白すぎて、耐えられなかったじゃねぇか。



「我慢が足りない」



「うるせぇよ」



あたしが噴出してしまった事に文句を言う豊の肩からあたしは頭を上げた。



本当はもう少しこうしていたかったけど……

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