HEAVEN ROAD
「降りろ」



車が急に停車したかと思うと、豊はあたしの腕を掴んで車から引き摺り下ろした。



「何すんだよ?痛いだろ?」



あたしは掴まれていた手を振りほどく。



そして、辺りを見回すと……



ヘブンロードの真ん中に立っていた。



沢山のバイクで車を止めて、この大きな道路にヘブンのメンバーが集まってくる。



凄い……



バイクのライトはすべてあたし達二人に向けられている。



「カナ」



「はい」



珍しく名前で呼ぶから緊張してしまうあたし。



「俺は引退だ」



「知ってる」



「引退してもお前は俺の女だ」



「知ってる」



「離れんなよ」



「もちろん」



きっとこれが豊なりの愛の告白なんだろう。



あたしは真っ直ぐに豊の顔を見つめた。



豊も目を逸らさずにあたしを見つめてくれる。

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