HEAVEN ROAD

「じゃあ俺達も行こうか」



「どこにだよ?!」



どさくさに紛れてあたしの手を握る翔。



「もちろん屋上」



なんだか、教室に行く気分でもなくなったしいいか。



二人で屋上に行くと朝早いこともあって、まだ誰も来ていなかった。



「静香さん、なんで豊なんかと?」



ソファーに腰掛けたあたしはしつこく翔に2人のことを聞いた。



「入学してから豊がずっと好きだったんだよ。それで、2年になってやっと付き合えたわけ」



「へぇ~」



「静香はモテるからな」



「だろうね」



恋愛に無頓着なあたしにだって静香がモテることくらいはわかる。



「清楚な感じがたまらないもんな~」



「もしかして、翔も好きとか?!」



あたしの言葉が図星だったのか翔は一瞬引きつった顔をした。



「俺はカナちん一筋だよ~ただあの黒髪がいけないよね。黒髪が似合う女は清楚で男の憧れ。好きとは違うよ」



「ふぅ~ん」



黒髪が清楚ね……
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